水彩画の紙選び

絵を始めたい方

 母の日のプレゼントにウインザー&ニュートンのスケッチブック(コットマン)をもらいました。「試してみて。」と言われたのに、高級水彩紙の特長をまずは調べなくてはと先送りしていました。以前の投稿で「100円ショップの画用紙に描いたら、やる気が続かない。」と書きましたが、画用紙に同じものを描こうとしても、筆はひっかかる感じがするし、ぼかしもうまくはいかないしで、ギブアップ。水彩画はどんな紙に描くかで全く違います。
しかし、私は限りなく素人に近いので、紙の種類など詳しくはありません。参考になるようなまとめ方はできないと思いますが、コットマンに挑戦しながら、少しでも理解を深めていきたいと思います。

エピソード 紙を洗う

 もう30年以上も前ですが、ある先生の授業を見に行きました。私よりずっと年上で、頼りがいのある豪快な方です。中学生が水彩画を描くのに水彩紙を使っていました。「良い紙を大事に使って、最後まで頑張って仕上げる。」というような話の中で、今でも鮮明に思い出せるのは次の言葉です。「私はね、ベタベタと塗ってしまって、もうダメだと諦めている生徒の作品は、水道の所に持って行って水を流しながら洗っちゃうんですよ。この紙は強い紙だから大丈夫だよ。水彩画は失敗しないよ。色が取れて、薄く残った色もきれいでしょう。この上に描いていこうねと言えば、みんな頑張りますよ。」さすがに、水道で洗いながら絵の具を落とす勇気は私にはありませんし、「水彩画は失敗しない。」なんて無責任なことは今は言えません。しかし、その後は私も水彩紙(ワトソン)を授業で使うようになり、「この紙は色が取れるから失敗しないよ。」は何度も口にした記憶があります。
 最近ですが、高級水彩紙(アルシュ)を風呂場で洗うという話も聞きました。美術室の大きな流しと考え方は同じでしょうね。

紙の特長を知る

 ワトソンやワーグマンは国産の紙なので、教材として取り入れやすかったのだと思います。どちらも丈夫で、色が乾いてしまっても水で再び色が抜けやすい紙です。まだ、水彩画の経験の少ない中学生には画期的な紙でしたし、私もその紙質に慣れてしまったので、今もホワイトワトソンで描いています。
 ただ、水彩紙の特長はそれだけではありません。にじみやぼかしなど様々な技法がある水彩画には紙の乾燥が早いか遅いかということも重要ですし、色が抜けやすいのではなく、色の定着が良いということも重ねて描いて行く時には大事な特長です。紙の目にもいろいろなものがあります。なめらかで細かな表現ができるものもあれば、表面がボコボコでかすれた感じが出しやすかったり、凹みに絵の具がたまって鮮やかな色になったりもします。 現在ではいろいろなメーカーからいろいろな水彩紙が出ています。水彩画に熟練してくれば、自分の表現に合わせて使いやすい紙を選ぶことができるのでしょう。「これから描いてみたい。」という場合でも、画用紙に比べれば格段に描きやすいのは確かです。まずは、手に入りやすいもので試してみましょう。

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 「日本透明水彩会」が編集している本です。先日、図書館で借りてみて、どうしても手元にほしくなり、本屋で買ってきました。私はまだまだ知らないことがたくさんあるので、画材について詳しくまとめられているのは嬉しいです。その中で、「知っておきたい画材のキホン part1」が水彩紙のことでした。絵の具や筆よりも紙が先です。素材や製造方法によるそれぞれの紙の特徴、特性がわかりやすくまとめられていたので、参考にして使える水彩紙を増やしていきたいと思います。本で読んですぐにできることではないのですが、全く手がかりがないとどんな紙が自分の描き方に向いているのかもわかりません。紙といえども高価な紙なので、ある程度は理解して描き始めたいです。

コットマンを試す

 上記の「画材を知る」には、いろいろなメーカーの水彩紙、絵の具、筆などの特徴がわかりやすく説明してあるのに、運悪く(?)コットマンは載っていませんでした。わからないまま、とにかく試すしかありません。よりにもよって、ボコボコの粗目とすべすべの細目の2冊をくれました。間に中目という描きやすい肌目のものがあるはずなのですが、それはくれませんでした。色がはっきり出る方が良いと思い、ボコボコ(粗目)で描いてみました。紙の凹みに絵の具の顔料(つぶ)がたまるそうです。
 1枚描いてみただけですが、印象としては描きやすいと思いました。表面の水や絵の具はすうっと染みこんでしまいます。乾きが早いのかと思ったのですが、中まで完全に乾いてはいないようで、うまくぼかすことができました。乾いてからもある程度は色が取れます。私はさらっと描くことができず、色を置いたり、取ったりを繰り返してしまうのですが、あまりにごった感じにもならずに済んだような気がします。とは言え、経験が少なすぎて、普段使っているワトソンと比べてどうかとまでは語れるとは思えないので、とにかく試します。

続きは、「描きたい!」と思う気持ち(2022/8/20)へ

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