巨木と子どもの風景

とものつぶやき

 孫をモデルに人物の練習を始めました。(→久しぶりの人物! 練習から・・)来年の県展に出す50号に人物を入れたいからです。今、頭の中にある絵のイメージは、大きな古い木とその下で遊ぶ子ども。何百年も同じ場所に立ち続けている巨木は、小さな子どもが育って大人になり、また次の子どもが大きくなっていくのを何十回もくり返し見てきたはずです。「ああ、またこの子も大きくなっていくんだなぁ。」と優しく見守っているような木を描きたいと思います。

 その「優しい木」はどの木が良いかと考えました。木の形とか立っている場所も大事なのですが、私は木のスケッチをしながらいろいろな人と話をしているので、「小さい頃、この木の周りで遊んだんですよ。」とか「子どもの頃はこの木に登りましたよ。」なんて話を高齢の方から聞いてしまった木は、「優しさポイント」が高くなります。そうして選んだのが、君津市奥米にある椎の木。この木も片道1時間半ほどかかる場所にありますが、これまでのスケッチ資料もあるので自分のイメージでまとめていきたいと思います。どうしても見に行きたくなったら、またドライブです。

 さて、その下で遊ぶ子ども。歩き始めたばかりの孫がモデルです。後ろ姿でも良いし、顔を描かなければ簡単に描けるだろうと思ったのですが、一時もじっとしていない!「このポーズ良いな。」と思っても、写真すら撮れません。クロッキーやスケッチなど、尚更無理です。とりあえず、何枚か撮ってみた写真の中から2ポーズ選んで描いてみました。頭の中のイメージに近づけるために試してみないといけないことが結構あるので、習作を続けます。

 

色をどうする?

 最終的には50号のキャンバスにアクリルガッシュで描きます。「色をどうするか。」で、また壁にぶち当たります。この10年ほど、私はキャンバスに描く時は色数を絞ってモノトーンに近い色調で描いていました。理由は以前、投稿しています。(→絵を始めたい方へ・キャンバスにアクリル絵の具)でも、今回描くのは「優しい木」と「かわいい孫」。画面が暗いのはどうしても嫌です。とっても大冒険ですが、今までとは180度違うパステル調の明るい色づかい、挑戦してみようと思います。まずは透明水彩で描いて、色のイメージをまとめます。

  

 

 庭先にちょこんと座った感じで、背景に緑も入れてみました。着ている服をそのまま固有色で描くと妙に目立つので地面になじむ色に変えました。

 

 木の根を入れ、光の当たるところ、陰の部分、色を考えてみました。迷って何度も色を取ったり重ねたりしているうちに、にごってしまいましたが、何となく使う色の目安はついてきました。

 

その色をアクリルガッシュで出せるか?

 透明水彩のふわっとした感じ、重色による微妙な色味。これをアクリルガッシュで出せるかが次の課題。もう10年も決まった色ばかりしか使って来なかった絵の具箱の整理から始めます。使えそうな色を選び出し、透明水彩の色に近づける方法を考えます。べったり塗ったら、下の色はかくれてしまうので微妙な色合いを出すには塗り残して下の色を見せるしかありません。気に入らなければ、また塗り直して試行錯誤できるのが、アクリル絵の具のありがたいところです。 

 

 何とか許せる色調にはなってきましたが、まだ50号は描けません。もう少し、習作を続けます。

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