チャレンジあるのみ その13

とものつぶやき

 また、暑い夏がやってきました。冷房の効いた部屋では、パレットの絵の具がすぐに乾いてしまうアクリルガッシュは使いにくくて仕方がありません。次の作品の構想や下描きくらいができれば良いのですが、4月から梅雨入りまでの毎日が今年はあまりにも忙しかったので、モデルさんを探すこともスケッチにでかけることもできないまま、夏本番を迎えてしまいました。時間を無駄にしたくはないのですが、さて何をしたら良いでしょう?

 公民館で絵を描いている時に、たまたま「いわさきちひろ」の話題になり、家に画集がたくさんあったことを思い出しました。久しぶりに開いてみると、さらさらと描いた淡い色彩、素晴らしいです。下描きをせずに、直接絵の具を置いているものも多く、私が使いこなせないにじみやたらし込み・・・。これは冷房で涼しい部屋で練習するにはバッチリの課題です。
 熟練している人達はぬれた画面に絵の具を落としても(ウェット・オン・ウエット)、ある程度の効果を予測して制作することができると思うのですが、私の場合は「こうなっちゃったの~?」と思うことの方が多いです。画面にひく水の量とかそこに落とす絵の具の濃度とか、混ざった時にきれいに見える色の組み合わせとか、わかっていないことがたくさんあるのだと思います。

 とりあえずは画集をめくりながら、私にも描けそうなものを探しました。夏休み工作の準備で作っていた珊瑚や魚が目に留まったので、直描きの練習をして、ちょっとだけ青をにじませた画面の中に描いてみます。スモールステップが私のモットーなので、小さい面積のたらし込みから始めたいと思います。珊瑚や魚の形に描いた色が乾かないうちに別の色をたらしてみます。

 

 にじんだ青に合わせて、海の中の風景を描いているつもりなのですが、直描きは難しいです。ねらったところに思った大きさや形で入ってくれません。泳ぐ魚たちの動きに多少の変化をつけたいのですが、なぜか一直線に並んでしまい硬い感じがします。それでも数を描いているうちに、魚の形に多少の変化はつけられるようになりましたが、ただの練習。とても作品につながりそうもありません。

 

 描いたことのない海の中よりは、描き慣れた葉っぱの方が楽しいかも知れません。背景に木や草を入れて、葉っぱやどんぐりを散らしてみることにしました。秋の風景いろいろです。

 

 葉っぱは魚よりも向きや形を変えて配置できるので、ひとつひとつ考えながら入れていけば画面はまとまってきます。葉っぱ以外のものも少しだけ入れてみて、構図も考えやすいと思いました。描き慣れていることはありがたいです。

 

 これを作品につなげていくにはどうしたら良いでしょうか。背景に大きな木があったらどうかと、大好きな「上植野の椎の木」の写真を見ながら木の形をたらし込みで描いてみました。写真を見ながら描いている分、作業が遅くなり、奥行きのある形をどう表現するかも迷い、良くわからない形になってしまいました。

 

 「木は描き慣れているんだから、頭の中に形を思い浮かべて描こう。」と思い、勢いだけで描いてたらし込みをしたら、木の色は良い感じになりました。同じように葉っぱを散らしていきましたが、左下の処理を迷い始めました。大きな木の下に何か別のものを入れたいです。いわさきちひろのように最初からこどもを主役に描ければ良いのでしょうが、全くそんな技量はありません。犬、猫、梢に向かって伸ばす子供の手・・。思い浮かんだものはとてもうまく描けそうもないし、そのまま保留にします。

 

 ここまでで多少の進歩と言えば、作業のスピードが上がったことです。水の乾き具合との時間勝負ですから、ゆっくりやって良いことなど何もありません。今後もっと画面を大きくして作品を描くなら、それにあった筆も必要になります。私はこれまでこちょこちょこと細かく描き込む作業が中心だったので2号~6号くらいの細い筆ばかり使っていましたが、10号以上の筆に挑戦です。。水や絵の具をたっぷり含んでも穂先がそろう大きめの筆でぐいぐい描いていけるようになりたいです。

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