自分にできること

とものつぶやき

 2024年のスタートは突然の大地震。能登半島は夫の出身地、能登町には7年前に空き家にした実家があり、能登町や輪島市には多くの親戚や知人がいます。いろいろ報道されているように寸断された道やライフライン、必要な支援が入るのにも時間がかかり、すでに3週間以上も大変な生活を強いられている人達がいるのに、医療の知識も炊き出しのノウハウもない私が今できるのはお金を出すことくらいです。この投稿も書く意味があるのかどうか迷いながら書いています。

 中学校教師を退職して間もない頃、東日本大震災が起きました。時間はありますから、「ボランティアに行かないと。」と思いました。ただ、私は「思い立ってすぐに行動」ができるタイプではなく、あれこれ考えてしまう人間です。「おばさんが何日か行って片付けをしてもあまり役には立たないんじゃないか。」とか、留守にしている間の家の中のこといろいろなど、迷っているうちにどんどん日が過ぎていきました。が、ある日の新聞で画用紙とクレヨンなどを持って避難所を回っている美術教師の記事を読みました。自分ができることをみつけた気がしました。

 今も使っている「動物型紙」は、その時に考えたものです。小さい子からお年寄りまで、物作りが得意な人も得意でない人も、誰でも楽しくできるものを考えました。色画用紙や折り紙、千代紙、その他いろいろ、100円ショップで大人買いして300人分の材料を準備するのにかなりの時間がかかりましたが、「体力のないおばさんは、この準備もボランティア」と考えて自分で納得できました。私と一緒に来てくれる人達もいて、原発事故の2次避難所になっている会津や猪苗代の旅館やホテルを回りましたが、その時に作品を作って下さった方達には、いろいろなことを教えていただいた気がします。

 能登半島はライフラインの復旧さえ、この先何ヶ月もかかるでしょう。人口減で住んでいる人もわずかなのに、寸断された道がすべて元に戻るとも思えません。毎年、お盆の1週間を過ごしていた場所とはいえ、私が被災地に行ってできることなど、何も見えません。この3週間、モヤモヤとした日々を過ごしましたが、行き着いた答えは「毎日の生活をきちんとする。少しだけ、ペースアップを心がける。」です。今の生活の中でやっていることが自分のできること。手を抜かないで頑張っていれば、少しずつでもできることは増えていきます。何か役に立てそうなことをみつけた時に、動けるようにはしておきたいです。

 

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