夏休み子ども向け工作③ カードゲーム

材料のアイデア

 いろいろな方に作っていただきましたが、小学生が作るイメージで作り方をまとめてみました。数人での共同制作、作った後にみんなで遊ぶのが目的です。

 百人一首を使った「坊主めくり」というゲームをご存じでしょうか。読み札(絵札)を男性、女性、僧侶(坊主)の3通りに分け、裏返して重ねた中央の山から順に引いていき、僧侶が出たら自分が持っている札をすべて場に出さなければいけない。次に女性の札を引いた人が場に出ている札をすべてもらえるというルールです。中央の札の山がなくなった時に、一番多くの札を持っていた人が勝つという「運」だけの簡単なゲームですが、結構盛り上がるものです。札(カード)を3種類作ることができれば、手作りのゲームが楽しめます。

 坊主めくりをご存じない方は、下のサイトが分かり易くゲームのわくわく感も伝わリます。ご覧になってください。

「坊主めくり」─最後まで何が起きるかわからないハチャメチャくじ引き─ | さいころテーブル
「坊主めくり」は、百人一首の読み札をめくって、できるだけたくさんの札を手に入れるゲーム。基本的に運100%で、最後まで何が起きるかわからないドキドキ感が楽しいです。ゲームは2人以上の何人でもプレイできて、セット例はこんな感じ。小倉百人一首の読み札をシャッフルし、裏向きの山札とします。運だけのゲームなので山をいくつにする...

ゲームのアイディア

 3種類のカードは、普通のもの、悪いもの、助けてくれる良いものです。イメージしやすい自然界の弱肉強食で考えてみました。子どもでも作りやすいと思うのは下の3つです。

①オオカミがヒツジをつかまえる。○○が助けてくれる。
②ヘビがヒヨコをつかまえる。○○が助けてくれる。
③サメが小さい魚をつかまえる。○○が助けてくれる。

 例 ③のカード

 

 これまで○○を固定したことはありません。制作する人達の好きなもの、好きなキャラクターを描いてもらっています。いろいろな「お助けキャラ」が出て来て、ゲームをしていても盛り上がります。「○○が助けてくれた~。」というように。

カードの作り方

 カードを引いたときに、一瞬で何のカードかわかることは大事です。そのためには、3種類のカードは違う作り方をする必要があります。

①普通のカード(ヒツジ・ヒヨコ・小さい魚)
 事前の準備が必要ですが、消しゴムを彫ってスタンプを作っておきます。あまり複雑な形にする必要はありません。大まかな形がインクで押されていれば形は統一できるので、目や手足などは好きなように入れていきます。このカードの枚数が多いので、スタンプが早いのですが、作る人数がたくさんいるのなら、型紙を使って同じ形を描き、色鉛筆などで塗っても良いです。形がほぼ統一されていることが大事です。

 

②悪いカード(オオカミ・ヘビ・サメ)
 1色のマーカーでぐいぐい描きます。ここはどんな絵が出てくるか予想がつかないのでオオカミならすべて黒、ヘビは緑、サメは青と色を決めてしまった方が、カードの判断はつきやすくなります。全身を描く必要はありません。顔だけのアップで三角の目やギザギザの歯が良く見えた方が迫力があります。

 

③助けてくれるカード(ハートマークの○○)
消しゴムスタンプで小さなハートマークを作っておきます。それをトランプのように先に四隅に押してしまいます。または、目立つように真っ赤なペンで描いても良いです。ハートマークに囲まれているのが、「お助けキャラ」です。他のカードは色や形が統一されているので、このカードについては好きな色で好きなものを描いてしまって大丈夫です。画材もマーカーや、色鉛筆、何でもありですが、クレヨンなど他のカードに色が移る可能性のあるものはやめましょう。

   

 

作り方

 重ねて山にしやすいようある程度厚い紙の方が良いです。私はダイソーの両面白色の厚紙(0.5ミリ厚さ)を使っています。

①カードを切り分けます。この下準備がもっとも大変なので、紙の大きさに合わせて分割が楽なようにカードの大きさ、形は決めてしまいます。厚紙の大きさが下記のとおりだったので、1枚の厚紙を20枚のカードに分けました。半端な部分は捨てます。5枚を切り分けて100枚のカードができあがります。

②消しゴムスタンプを作ります。複雑な形を作る必要はありません。それらしく見える大きな固まりがスタンプになれば良いのです。カッターでできます。または、厚紙で型紙を作ります。

スタンプと型

型で作ったカード

 

 

 

 

                           

 

③100枚のカードを3つに分けます。百人一首にならうなら悪いカードは13枚、お助けカードは21枚、残りは普通のカードですが、ゲームに動きを出すなら少しくらい数を変えても良いかも知れません。

④普通のカードにスタンプを押します。厚紙にはインクがしみ込みにくいので、乾くまで時間がかかります。または、型紙を使ってヒヨコやヒツジの体の輪郭を描いておきます。ハートマークも入れてしまった方が、悪いカードとの区別がつきます。ここまでが、準備です。

⑤100枚のカードに絵を入れていきます。

注意点

①このカードゲームは決められた時間内で大勢で作るには不向きです。作り方①~④までの工程は少しずつ進めるしかないので私が準備してしまい、⑤だけを分担してみんなで作るという方法を取って来ました。ある程度、時間と制作人数に余裕があり、スタンプではなく型紙を使うなら④から子どもに任せることも可能ですが、すべて白いカードからスタートするので、③で3つに分けたものが混じらないよう注意が必要です。

②ずっと以前に美術部の生徒に作り方を教えたところ、活動時間の中で少しずつ作って結構凝ったものを完成させていましたが、そのように遊びの中で作るのも良いかも知れません。絵が好きでたくさんのカードに絵を描くこどもと自分が好きなキャラクターを1枚だけ描いたこどもがいても良いような気がします。完成したら、「みんなで作ったカードゲーム」です。

③スタンプを使用する場合、色の定着が悪いものだと重ねた時に色移りしてしまいます。100円ショップなら油性インクのものを選んでください。文房具店で売っている水性顔料のインクは完全に乾けば大丈夫です。

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