油彩風、スーパーチャレンジ
私の色づかいは、本当につたないものです。そもそも、絵を描く経験も少なすぎるのです。高校までは運動部、大学は教育学部の美術教師の養成課程に入りましたが、そこでも体育会の運動部へ、3年生まではそちらが大学生活の中心でした。高校の美術部などで油彩を描いてきた同級生と比べるとあまりにも下手すぎて、卒業制作は他の学生と差のついていない彫刻を選びました。それは、自分でも楽しかったのですが、色を使いこなす機会は更になくなりました。
月に2回、近くの公民館で水彩画やアクリル画を描いています。他の人が制作している様子を見られるのはとても参考になりますし、自分にできない描き方を見ると憧れます。何とか、取り入れようと頑張っているのですが、なかなか自分の絵が大きく変わることはありません。そこで、自分の制作が一段落したところで、練習に徹することにしました。すぐ近くで描いている方は油彩経験が長いのですが、下の色をどんどん隠してしまうアクリルガッシュでもとても複雑な色を出しています。上手に塗り残しを作って、離れて見た時には、その色がうまくまとまってきれいな色になる・・。これを少しでもできるようになりたい。行き詰まったらどんどん放り出す覚悟で、私にとってのスーパーチャレンジをやってみます。
練習ですから、あまり良い紙は使いたくないけれど、その描き方に適した紙でなければ練習になりません。材料部屋をゴソゴソ探したら、購入後ほとんど使わないまま40年近くは経っているキャンソンのスケッチブックが出て来ました。うっすら変色もしていますが、しっかりと厚さもあるし、独特な肌目が面白いのでこれに描くことにしました。ある程度の凸凹があれば、凹部分に先に塗った色を残しやすいからです。筆も同様、普段使っている細い筆では、べったり塗るのに不向きです。100円ショップでまとめ売りされている平筆を主に使って描くことにしました。毛が硬くて良い感じです。古い紙、安い筆だけど、やってみたい作業には適している感じはするので、ダメ元であれこれ描いてみようと思います。
とは言ったものの、最近は色数を絞ってモノトーンに近い感じでばかり描いていたので、更に色は使えなくなっています。どこから描いたら良いかもわからないのですが、とりあえずは背景にきれいな色面を作って、それに合わせて主役を描いていこうと考え、ガーベラを描き始めました。
しかし、背景ひとつ描くのも難しいこと!どの色を先に置いたら良いのか、筆のタッチはどれくらいの大きさで、どれくらい間隔をあけたら良いのか、全く自信がありません。絵を始めたいという方から「絵の描き方がわからない。」という言葉を聞くことがありますが、何となくその気持ちがわかります。明るい感じと暗めの感じの2枚作ってみましたが、色の組み合わせが悪いのか、とてもきれいな色には見えません。仕方がないので、主役の花を入れてみて、それに合わせて背景の色も変えていくことにしました。
使い慣れない100均の筆、今までのように細かく描いていくのは無理です。ここでも、ひとつひとつの色や筆の使い方をいちいち考えないといけません。ただ、その作業を続けているうちに「この色を重ねてみよう。」とか「ここは少しぼかそう。」とか、次の作業がだんだん見えて来るようになりました。どうせ、いくらでも描き直しがきくアクリルガッシュです。いろいろ試して、何とか形にはなってきました。
少し、大きめの紙で描いてみました。背景に色面を作って切り株や花を入れたところです。
いろいろ手を加えて、とりあえずは完成したものです。少しずつ、色数も増えてきました。もっといろいろ試してみたいところですが、梅雨入り早々、梅雨前線はどこかに消えてしまい、今日は、35度まで上がる予想。冷房を入れることになるので、乾きの早過ぎるアクリルガッシュを使うのはしばらくお休みです。
描いてみなければ始まらない
毎回、すぐ近くで描いている様子を見ていて、「あんな風に描いてみたい。」と思っていたのに、いったい何を見ていたのでしょう。「見ているだけ」と「自分の手でやってみる」は全く違いました。色の知識も画材の特徴もある程度は理解しているはずなのに、それでもわからないことだらけです。描きながら迷い、「○○さんの絵はどうなっていたっけ。」と、そこまではよく見ていなかったことに気づき、次のサークルの日を心待ちにしていました。
絵を描き慣れていなければ、わからないことだらけです。描いているのを見たり、言葉で教えてもらってわかることもありますが、自分の手をまず動かして実際に描いてみないと、見たことも聞いたことも自分の中には入っていかないのだろうと思います。まずは、たくさん描いてみないと、何も始まりませんね。
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