真夏日が続く9月、スケッチ日和はなかなか訪れません。前回のスケッチでは、梢近くの見えにくい枝しか描いて来なかったので、とりあえずはその周辺、光がチラチラする背景から描き始めましたが、中心となる木の動きが全くつかめていないので、ただ単調に埋めているだけです。「後で修正だな。」と思いつつも、1度懲りているので暑い中では行きたくありません。
10月に入ると朝晩は涼しくなり、さすがに真夏日もなくなりました。わからないままで描くのは限界なので、「最高気温26度」の予報が出た晴れた日(10月3日)にスケッチ決行です。汗拭きタオルを首にかけ、虫除けスプレーをしてから出かけました。
何百年もその場所に立ち続けている古木の迫力は、近くに行かないとわかりません。どうしてこんな形になるのか不思議なほどのねじれや出っ張り、大きなうろ。木の回りをぐるぐる歩き回りながら見えない所を確認し、写真と違う方向からもスケッチし・・。とにかく平らな紙の中に、このどっしりがっしりとした木の形を出したいのです。やる気は満々なのですが、今回もなんと現場滞在時間は1時間ちょっと。汗をかくほどではないのですが、暑さの名残の細かい虫はスプレーをかけていない顔の周りを集中的に飛び回り、目にも飛び込んで来るので、全く落ち着いて描けません。形を確認するクロッキーみたいなスケッチです。それでも、何とか必要な資料は集めたので、「わからなくなったら、また来よう。」と自分に言い訳をして帰ってきました。
その後、県展を見に行きました。(10月5日)風景画もたくさんあり、どのように描いているのか気になります。その風景を目の前にして感じたことをそのまま表現できれば良いのですが、大きな画面は時間もかかります。天候や季節だって変わってしまいます。細かく描き込む作品であれば、多かれ少なかれ私のように写真資料は使っていると思いますが、「写真だけではわからないもの」をどのように絵に表現するかが大切なのだと思います。
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