もうすぐ県展の搬入、今年の作品はすでに準備できています。でも、問題はその次です。私は50号を1枚描くのに半年以上もかかってしまうので、早く描き始めないと来年の梅雨入り前には終わりません。(暑かったり、暗かったりしても仕上げがうまくいかないので)しかし、構想は全くまとまらず、スケッチや写真資料もなし、気持ちはあせるばかりです。
この何年かは、大きな木を主役にした風景画を描いて来ました。その木の迫力、その場所の空気が少しでも伝われば良いと思っていました。けれども、この描き方もそろそろ限界に近いように思えます。私はその場でキャンバスに描くことはないのですが、写真だけでは描けないため、制作中に何回も見に行って、部分のスケッチをしていました。これまで最も遠い所に立っているのが片道1時間半の「上植野の大椎」ですが、ふらっと行ける距離ではありません。近場もいろいろ探していますが、「描きたい風景、素敵な木」を新しくみつけるのは難しいと思います。
この2年くらい、ずっと頭の中にある「描きたいと思っている違う感じ」。(→チャレンジあるのみ その7)それを、はっきりさせていくしかありません。ただの風景ではなく、「時の流れを感じさせる独特の空気」です。今まで描いてきた木を中心のモチーフにして画面を構成していく・・。でも、全然、浮かびません。わらにもすがる思いでひねり出したのが、やっと歩き始めた孫です。
娘が小さい時にも、何度か作品の中に入ってもらったことがあります。無表情のこどもの顔って「何を考えているんだろう?」と思わせる深みを感じませんか?大人の常識では想像もつかない、頭の中が何か別世界の入り口になっているような、そんなイメージです。
何百年も同じ場所に立ち続けている巨木とまだこれからの未来しかない小さな子供。でも、何か通じ合っているところがあるんじゃないかとか・・。
かわいい孫にモデルになってもらおうと思ったものの、もう20年以上、人物なんて描いたことがありません。描き慣れていないものは当然下手くそです。だから、練習から始めます。まずは横顔に挑戦、背景は顔の雰囲気で適当に入れてみました。
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