世の中が普通に動き出し、工作を作ってもらう機会も人数も増えて来ました。魚の親子を中心に海の中の風景を創り出す「海の中のお散歩」は3カ所70~80人くらいの準備が必要です。参加者に不公平がないよう、また、見本通りに同じ作品ばかりができてしまうことがないよう、準備段階で気にかけたことを紹介します。
材料集め
①色選び
紙の工作を作る場合、色選びは重要です。折り紙、千代紙、色画用紙、包装紙、シール類・・台紙に選んだ色の上に並べながら、他の紙としっくり来るものをどんどん選んでいきます。人それぞれ好みがあると思うし、自分だけの作品を作ってもらいたいので、選択肢はたくさん用意しますが、とにかく「合わない。」と思う色だけは外します。配色をまとめるのは色の組み合わせだけではなく、色のトーンの問題もあるし、紙の材質(ツヤ感)などによっても違って見えるので、例えば「青」と呼ばれる色の中にも合うものと合わないものが出て来たりします。台紙に乗せたり隣り合わせたりしながら組み合わせを試し、使う紙を決定しています。絵の具のように混ぜて調整することができないので、この作業は欠かせません。それでも、私自身の感覚を100%信用しているわけでもないし、センスの良い色選びをする方はいらっしゃるので「ここにどうしても○○色がほしい!」と言われた時のために、色数の多い折り紙を保険として密かに持って行きます。
②購入場所
日常生活の中できれいな色、変わった質感のものをみつけたら取っておく習慣はありますが、やはりありがたいのは、ダイソーやセリアなどの100円ショップです。色画用紙も千代紙類も「一体、どんな人ががこんなものを使うんだろう?」と思うものまで、いろいろあって助かります。同じ色を大量に使いたい時も、ホームセンターなどに売っている八つ切りサイズの色画用紙よりもやや小さい(ギリギリのB4サイズ)のですが、110円(税込み)で10枚が手に入るので、台紙など広い面積に使うには必需品。それに合わせて、他の紙を選んでいると言っても過言ではありません。
また、作品の中に少しだけでも入れると見た目が格段にアップするので、レザック紙やマーメイド紙などの高級感あふれる質感の面白い紙を大きなホームセンターで買うこともあります。「海の中のお散歩」も海底の岩を作るのに、手前の大きな岩用にグレーのレザック紙をくばり、残りはダイソーのくすみカラー(色画用紙)を好きな組み合わせで使ってもらいました。
ただ、物価高騰のおり、仕方のないことなのですが、店側の品揃えなども制限されてきているのを感じます。ダイソーの10枚組色画用紙も、この10年くらいの間に色数は絞られました。以前は普通にみかけたオリーブ系の深い緑がどこにもみつからなくなり、辰年を前にして(もちろん、主役の辰の材料です。)真剣に探し回って、幸い、ジョイフル本田の画材も扱う大型店舗で手に入れることができました。しかし、そちらも最近は無駄が出ないような売り方を工夫していると感じます。ほしいものをほしい量だけ手に入れるには受難の時代になりました。
材料を作る
イメージに合うものがみつかれば良いのですが、そうでなければそれっぽく見せる方法を考えるしかありません。模様を描いて、色画用紙等に大量に印刷するという手を使うこともあります。それが、予想以上にうまくいくことも・・。今回だけでなく、今までに作ったものも、ついでに紹介します。
①サンゴ
ゆるいカーブの棒が何本も切れるように模様を描き、数種類の紙に印刷しておきました。切ったものは、更に切り分け、向きを変え・・。どのように組み合わせても一応サンゴらしくは見えました。たくさん組み合わせて魚たちが集まる巨大なサンゴを作る方もいれば、何と台紙から浮かせて魚がくぐり抜けているというアイディアまで。
②ススキ
お月見には付きもののススキ。色鉛筆などで描いてもらうことがほとんどですが、ススキ模様を描いて、これも色画用紙に印刷してしまいました。しかし、白っぽい花穂を色画用紙に印刷するのは不可能なので、後から白のポスカなどで入れてもらいます。
③瓦屋根
屋根より高い元気な鯉のぼりを表現するために描いたかわら模様。これも色画用紙に印刷し、切り分けて使います。向きを変えると雰囲気が変わるのが、我ながら不思議でした。
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