チャレンジあるのみ その6(2023/10/27)

とものつぶやき

 現在、描いているのはF20号の水彩画です。迫力があって素晴らしいのに、「どう描いて良いかわからない。」と思った本泉寺の椎の木を描いています。家からそう遠くない場所にみつけたのに、今年の猛暑でスケッチに行くのも大変で、いつになく計画性のない滅茶苦茶な描き方になっています。更に描いている途中で実感したのですが、画面の中に木しかありません。これは初めての挑戦です。奥行きを感じさせる地面もアクセントになるような建物なども一切なし、あるのは太い幹と重なり合う枝と葉っぱだけ。まあまあ得意だと思っている遠近感とはほど遠い構図でした。

① スケッチ1回目は40分でギブアップ。梢に近い場所の見えにくい枝の形と伸びている方向くらいは何とか描いて来たので、背景から描き始めました。葉の隙間からチラチラ見える光を描きたいので、「光」を塗り残さないといけません。隙間を空けながら葉の点描をしていきます。全部同じように描くと単調になるので、とりあえずは遠くの枝と近くに伸びてくる枝の葉は描き分けたつもりです。でも幹の部分の形が良くわからないので、描いていても全く自信がありません。ここまでが限界!この後、2度目のスケッチに行きました。

 

② 大きな幹のねじれ感や複雑なうろの形もわかったので、梢に近い方から幹を描き始めました。頑張って描いているつもりですが、木の迫力は全く出ません。そもそも大きな古木、それも逆光で真っ黒に見えるものを水彩絵の具で描いて迫力を出そうというのがまちがっています。いろいろな展覧会や水彩画の技法書などを見ても、参考になる作品に出会ったことがありません。
 幹の下の方はもともとアクリルガッシュで描き込まないとだめだと思っていたのできちんと描いた下絵が見えにくくならないようにアクリルガッシュの濃い色で先に線は押さえました。この後どんどん重ねて描いていくので、この線は消えます。水彩絵の具とアクリルガッシュが重なる部分が難しいので、うろの周囲の葉も怖くて描けません。

 

③ 光は極力、紙の白を活かしたいと思い、塗り残しながら全体に緑を入れました。うろの周辺や太い幹も大雑把ですが、アクリルガッシュで色を置いてみました。何となくイメージに合って来ました。2種類の絵の具の色調がうまくつながれば良いのですが、それはこれからです。

 

④ 何とか色もまとまってきて、途中で放り出す心配はなくなりました。幹や枝の色も、幹の周りの色も透明水彩で描いた上にアクリルガッシュを重ねています。逆だとうまく色がのりませんが、これは大丈夫です。これから先は、アクリルガッシュの太い幹は更に描き込んで立体感を出し、透明水彩で描いた枝葉の部分も奥行きを感じられるように調整していきたいと思います。これからが、自分の描きたいように描ける楽しいところです。

  

 

 
 先日見に行った県展でも感じましたが、絵の描き方というものは決まっているものではなく、皆さんいろいろな工夫をされています。透明水彩の方が発色が良く、光っている感じも出せるのでそれを活かしたいのですが、暗い部分の形をしっかり出すにはアクリルガッシュの方が思い通りに描けます。しばらくはこの描き方で上手く描けるように、いろいろな構図に挑戦してみたいと思います。 

コメント

戻る
タイトルとURLをコピーしました