画材選び 2(日本画)

絵を始めたい方

 「自分に合った画材を選びましょう。」と言いながら、「日本画は良くわかりません。」では申し訳ないので、近くの公民館の日本画の教室を見せていただきました。たくさん描いたスケッチや作成した下図を見せていただき、いろいろとお話を聞くことができました。

①岩絵の具

 岩絵の具と膠で絵の具を作るという作業は、やはりチューブから絵の具を出してそのまま使える油絵や水彩画に比べれば煩雑で、思うような色が出ないこともあるそうです。だからこそいろいろな工夫をし、自分にあった方法をみつけ、自分らしい作品ができあがるという「手軽にできないからこその魅力」があると思いました。

②スケッチ

 見せていただいたスケッチはどれも対象を目の前に見て描かれたものでした。中には動いてしまって描きにくい動物もありました。写真で撮ればその一瞬の正確な形はとらえられますが、それをしないのはスケッチする過程で形以外の描きたいものまで感じとることができるからだと解釈しました。私はちゃっかり写真も撮ってきてしまうので偉そうなことは言えませんが、私も写真だけでは描けません。スケッチに行った時に聞こえていた音とか肌に感じる暑さ寒さなどが絵をまとめる時のイメージになります。

③画面構成

 現場でしっかりとスケッチをしてもそのまま仕上がるわけではなく、画面構成を考えて下図を作ります。じっくりと考えることができ、先生やまわりの意見もいただいてより良いものになるのでしょう。本制作は下図を転写します。

④まとめ

 ひとつひとつの制作の段階が丁寧で計画的な感じがします。岩絵の具や膠の扱いも難しいからこそ、工夫を重ねて良い色が出た時は嬉しいでしょうし、うまくいかなくても「次はこうしてみよう。」という気持ちが生まれると思います。「考える、計画を立てる、準備をする。」ということをいとわない人にはお勧めかも知れません。話を聞いていたら楽しそうで、私もやってみたくなりました。制作途中での修正(塗りつぶし)もできるし、乾かないので困るということもないそうです。
絵の具の扱いが難しいとなると、やはり独学では無理だと思います。方法は自分で工夫していくとしても、基本を教えてもらったり、他の人のやり方から刺激を受けたり学んだり。日本画に興味を持った方は、素敵な仲間のいる素敵な教室を探してください。

 良いスケッチや下図がたくさんあったので写真を撮らせてもらえば良かったと後から思いました。私も刺激を受けたので、庭でとてもきれいに咲いている桔梗の花をスケッチしてみました。見えにくいところがなく、角度を変えて見たりもできるので本物はやっぱり描きやすいです。風で花が揺れたりしているのも何だか嬉しいです。鉛筆の下描きが完成するまでに1時間、なんと最初に描いたきれいな形のつぼみが開いてしまいました。私は、花の柔らかさが上手く描けず苦手なのですが、とても楽しい3時間でした。

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