来年の市展用の20号がとりあえず完成(→チャレンジあるのみ その11)し、続けてもう1枚、20号を描き始めました。この先、どれくらい絵を描く時間がとれるかわかりません。少しでも、先に進みたいと思います。モデルさんは、前作と同じく本泉寺の椎の木の中から選びました。以前、描いたことのある木(→巨木作品・光射して・・)ですが、季節や時間が変わると全く違う佇まいになるので、それを表現したいと思います。見たままではなく、その場所で感じたものを少し強調して仕上げていきます。
1月の終わり、時間は朝の9時頃、大きなうろの正面から陽が当たっています。寒々しい空気の中、そこだけは暖かく感じます。今まではきらきらした光を描くのが好きだったのですが、この「あたたかい光」を古木の幹で表現してみたいと思いました。
陽が当たっていないところはとにかく寒い、葉や草も何となく冬枯れた感じです。背景は暗くしていきます。光の当たっているところは、紙の白を使いたいと思っているので、下描きはいつもの何倍も丁寧に描き、「光の形」を拾いました。今まで、こんな方法を使ったことはありませんが、どっしりした幹を水彩絵の具とアクリルガッシュ併用で描いていきたいと思います。
ここまでは、1月に撮った写真から描いていましたが、やはり限界を感じ、また本物の木を見にいきました。「光の形」を追いすぎて、立体感やどっしり感をつかめていないからです。違う方向からも確認し、スケッチしながら「立体としての木の形」は頭に入れて来ました。
これまでは木の幹を描く時、立体感と動勢が最優先、塗り重ねがしやすいアクリルガッシュで何度も描き直しながら「どっしりした形、ねじれや伸びていく感じ」をつかみました。それから細かい描き込みです。でも、今回は光のあたる部分に紙の白を残したいと思っているので木の幹全体をつなげて描くことができません。暗い部分を拾ってアクリルガッシュで描き進めますが、木の立体感は全く出せません。「おバカな描き方をしてるなあ。」とは思いますが、とりあえずはチャレンジ。最後まで描き進めようと思います。
木の幹は何とか仕上がってきました。塗り残しによる光の当たった表現も、ほぼ期待どおりに出せたかなと思います。木の幹に重なって伸びている枝も描き加えていきますが、「冬の元気のない枝だけど暖かく光が当たっている。」というよくわからないイメージで、色は結構迷いました。残っているのは、光が落ちてくる右下の処理。思案中です。
最初にねらった木の幹に正面から当たっている光の効果は出せたのではないかと思います。ただ、その光が強すぎて右下の明るさ、暖かさが思ったとおりにはできませんでした。
でも、木の幹はとっても気に入っているので、チャレンジはとりあえず成功です。
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