スケッチに行きました 5(2024/6/10~)

とものつぶやき

 5月は雨や曇りばかりだったのに、今年は梅雨入りが遅く、気温があまり上がらずに晴れる日もあったので、これまで描いてきた20号はとりあえず完成させました。(→巨木作品・春を纏う)そこで、次の作品の準備です。家のことでやることが増え、年齢的にも無理は利かない中で、気持ちが何となくせわしないのですが、作品の制作や工作指導などを減らさないためには、計画的かつ効率的に動いていくしかありません。周囲の状況に関係なく、自分ひとりで早め早めにできることは作品を描きためておくことなので、来年の県展に出品する作品の準備にかかります。(今年9月に出品する作品は完成済み)

 現在のところ、「描きたい!」と思う新しいモデルさんはみつかっていないので、これまで描いてきた木の中で構図を変えて描くことを考えました。県内にある何本かの大好きな木を思い浮かべ、「ここしかない!」と決めたのが「宝善寺の椎の木」です。ここには大きな椎の木が2本あり、1本は枝ぶりが、もう1本は太くがっしりとしてねじれもある幹が素晴らしいです。この境内を描いた作品は大小様々10点以上はありますが、今となっては納得できる完成度の作品はありません。と言うのも、家からそう遠くないところに最初にみつけた木だったので、描いた作品の大半は10年以上も前のもので技術的には稚拙なものばかり。今なら、もう少しうまく描けるような気がします。3年前にもこの境内を描いたのですが、幹の素晴らしい木のそばにある鐘楼を中心に描いてしまいました。(→巨木作品・光降る)この鐘楼と木の組み合わせも大好きなのですが、唯一残念なのは、鐘楼の柱部分が長すぎて絵に描くとバランスが悪く見えることでした。今回、お寺の方にお会いして、その疑問が解決しました。もともとは大きな鐘がついていたのに、太平洋戦争の時に供出してしまい、代わりにつけられた小さな鐘なのだそうです。 

 

 今回は、このどっしりした幹を鐘楼も入れて描こうと思いますが、長すぎる柱は木の枝を伸ばして隠すことにしました。久しぶりに木の幹の周りをグルグルと回ってみましたが、こんなに良い木だったかと、あらためて感動です。10年前は形を追うのに精一杯でこの迫力は出せませんでした。少しは技術も伴って来たので、思いっきり大きく描いてみたいと思います。
 周囲に高い木が立っているので境内は日が当たらないことが多いそうですが、今の時期なら大丈夫そうです。大体の構図と光の当たり方を考え、午前中にスケッチに来ることにしました。

○1日目 
 8時半に行きましたが、境内は既に日が当たっていました。周囲が眩しいくらいに明るいので、たくさんの葉に覆われた枝や幹は余計に暗く見えてしまいます。写真も撮れないし、細かいところまで見えません。とりあえず自分の座る位置を正確に決め、その位置から写真を撮って帰ってきました。これをもとに大体の形を描いてみます。

○2日目
7時半に行くと、境内は明るいながらも太陽は高い杉の木の向こうに見え隠れ、直射日光が当たっていないので、とても見やすいです。写真を何枚か撮り、前の写真をもとに描いたスケッチと比べてみましたが、全く別物です。形を直したり、写真ではわからなかった立体感をメモしたりしているうちに、太陽が木の上に出ました。(8時10分)その途端、今まで良く見えていた幹や枝は真っ黒になってしまい、直射日光の当たる紙は眩しくて目もチカチカ、この日は諦めました。次はもっと早くに出かけて来ます。梅雨に入っても晴れる日はあるでしょう。

 

○3日目・4日目
 7時前からスケッチ開始です。太陽が木の上に出るまでが勝負。平面の写真からではわからないところを確認し、スケッチしていきます。周囲の柵を取り除き、かくれていた部分を描いて、ほぼ木の形はつかめたような気がします。

 

 この作品はF50号のキャンバスにアクリルガッシュで描いていきます。冷房を使った部屋ではパレットの絵の具がどんどん乾いてしまうので、暑い時期には描きません。スケッチや写真をもとに夏の間にしっかりと構想をまとめて準備しておきます。 

コメント

戻る
タイトルとURLをコピーしました