3月9日から市展が千葉市美術館で始まっています。今年は第55回記念展ということで作品目録も厚くなり、たくさんの作品が掲載されていました。
この展覧会の良いところは7つの部門が同時に展示されていて、いろいろな作品を見ることができることです。9階の市民ギャラリーから順に見ていきます。
展示をさらっと紹介
9階 日本画・工芸・写真
3つの部門が展示されています。平面あり、立体あり、特に工芸はいろいろな種類があるので、見ていても楽しいです。作品数は以前に比べると少なくなってしまいましたが、「ひとつひとつをじっくり見るなら、私にはこれくらいがちょうど良い。」という方もいました。
8階 洋画
小さめの作品が増えましたが、二段がけが少なくなり作品は見やすくなりました。まだ描き始めて日が浅いのか熟練していない作品もありますが、大きな画面を一生懸命描いているのでしょう。何となく良いものが伝わってきます。
7階 書道
私自身が経験がなく、作品を見ても善し悪しはわからないのですが、映画やドラマなどでかっこよく描いているのを見ると憧れます。「この感じは好き、飾りたい。」と思う作品には、たくさん出会えました。素敵な空間です。そのまま進んでいくと、美術館のコレクション展「房総ゆかりの作家たち 石井光楓」の展示へ。さらっと描いただけなのに素敵な空気感の水彩画をみつけ、自分の描き方を反省しました。
1階 彫刻・デザイン
彫刻の展示してあるさや堂は、素敵な空間です。制作にかなり手がかかることもあり、気軽にすぐに作れる部門ではありません。そのため作品数は多くはありませんが、見応えのあるものが多いです。昨年あたりからは、初心者でも取りかかりやすいような新しいアイディアの作品も出てきています。
プロジェクトルームのデザインの展示です。昨年のこの部屋は作品が見ずらかったのですが、今年は明るく落ち着いた空間になっています。色がはっきりしたものや細かい表現のものもあるので、明るいところでゆったり見たいと思います。
私が思っていること
以前から考えていることです。作品は少なくなり、小型化してきて、ゆったり鑑賞できるようになりました。でも、「市展」というせっかくの機会に参加している人が少ないのもさびしいです。
今年、何と「洋画」の展示の中で、「何枚かのスケッチをまとめた作品」を見ました。以前から「デザイン」の展示の中では時々みかけた「小作品の組み合わせ」です。大きな画面を描くのは、技術的にも環境的にもいろいろな制約があります。でも、小さなハガキサイズのスケッチとか絵手紙とかイラストとか、そんなものなら日常的にちょこちょこと描いている人は多いのではないかと思います。小さい画面でも、たくさん描いていればうまくなります。その年に描いた秀作をまとめて見てもらえたら素敵なんじゃないか、そんな展覧会へのルートがあったら良いのにと思っていました。各部門、いろいろな素材や形態のものが出てきています。ハガキサイズの作品と展覧会なんて結びつかないのが普通だと思いますが、「小作品部門」なんて作ったら、見せたい人もいるかもしれません。
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