チャレンジ作品、まとめて紹介

チャレンジ作品

 梅雨に入りました。雨の日は暗く、晴れたら暑い。私の家は大きなアクリル画を描ける環境ではなくなってしまったので(→雨続きの5月)、また絵を描きやすい季節になるまで、普段はやらないことをまとめて済ませてしまいたいと思います。
 手始めに、また作品の整理整頓。パネルに描いた作品は、昨年剥がしてファイリングし結構すっきりしたのですが、その際触らなかったキャンバス置き場。今では見るのも恥ずかしいつたない作品も続々と出て来ます。この先、心置きなく処分できるよう、とりあえず大きい作品を画像にしておきます。

 家の近くの景色です。モノトーンにまとめる以外に、何か方法はないかと葉や草にだけ色をつけてみました。葉の色の作り物感、今では我慢できません。色作りが下手過ぎです。(F30号)  

 

 

 10年以上前に初めて描いた50号で、県展には初入選したものの主役の木が貧弱で見るのも情けない作品でした。その後、ある方から「描き加えて別の作品にする。」という話を聞いたので、ダメ元でやってみました。ただ、主役は貧弱でも奥に描いた風景は気に入っていたため、そこを残して描き加えを始めました。木を大きく描き直したら地面のパースは狂ったので、もう気分は構想画。線や形、色を次々に入れてみました。イメージとしては、夏の日盛り、木陰に入ると落ちてくる蝉の声や日射しのチカチカ感です。描き直してはみたもののボロボロすぎてどこにも出せません。

 

 風景そのままではなく、自分のイメージで描けるようになりたいと思い、賀恵渕の椎の木の資料(スケッチ・写真)をもとに描き直してみました。何百年も存在している木の周囲の空気感、時代の流れみたいなものを出す方法はないのかと、またまたいろいろな線を入れたり、遠景に立ち並ぶビル(小さすぎて気づいてもらえない)を入れてみたりしましたが、今ひとつ、納得できません。(F30号)

 

 とにかく「根を張っている感じ」が好きなので、同じように残っていた奥米の椎の木の資料をもとに、根ががっちり大地をつかむ感じを描いてみました。背景に花を入れてみたところ、木の色とどうしてもしっくり来ず、あれこれ色味を変えてみました。コロナ禍に突入した頃で、「せっかく家にいるなら何か新しい感じにしよう。」と描き直しているうちに更にわからなくなり、またまた「今ひとつ」の仕上がりに。(F30号)

 

 もう15年以上も経ちました。初めて「木を描きたい。」と思ったのはこの古木です。水彩紙を貼ったパネルにも2回ほど描きましたが、更に50号のキャンバスにも描いてみました。実はこの木は旅行で行った北海道大学のキャンパスの中にありました。背景には建物が並んでいました。3月半ばのことで歩道になっている所以外は雪が深く積もっていて入れなかったので、下がって木全体の写真は撮ることができず、急いで描いた大まかなスケッチと近い距離からバラバラに撮った写真だけが残っている資料です。他にもたくさんの木がある中で、このうろの空いた古い1本だけが輝いて見えて、その印象だけをたよりに描いています。おかしな話ですが、資料が少なくて実物の形すらよくわからないのに、描きたいように描いて唯一気に入っている作品です。

 頭で考えてもなかなか描けません。「描きたい!」と気持ちの動くものに出会いたいです。

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