何を描くかが難しい

とものつぶやき

 今描いている50号は、最後の仕上げに入りました。大きな木を部分ごとばらばらのスケッチや写真をもとにして描いてきたので、完成が近づくとうまくつながっていないところが次々とみつかり、修正を繰り返しています。
ただ、そろそろ次のモデルさんも探さないといけません。私が飛びつきそうな木の情報を、いろいろな方が教えてくださるので助かります。その中で、今回みつけたのが本泉寺。大きな椎の木が何本も立っています。実は、この木のことは何年も前に複数の方から聞いていたのですが、見当違いの場所を探してみつからないので、先送りにしていました。太さも高さも素晴らしく、更にうろあり、こぶあり、ねじれあり。木の形は大迫力です。 

   

 

 しかし、素晴らしい木々をどのように描いたら良いのでしょう。最初から壁に突き当たります。「描きたい木」ではあるけれども「描ける風景」ではないのです。
 私はまだまだ自分で絵を作れないので、描こうとしている木だけではなく、周りに広がる風景に助けられます。地面に落ちる木もれ日やがっしりと張っている根っこなどを描くのは特に好きですし、遠くの風景を描いて遠近感を出すのも慣れてきました。スケッチをしながら聞こえてくる音とか気温とか、そんなものも伝わるように描きたいなあと絵のイメージも最初から浮かぶことが多いのですが、ここでは視界を遮るような感じで大迫力の木々に囲まれて、「どの木をどんな構図で描くのか。」「そもそもこの木をどんな感じに描きたいのか。」が全くまとまりません。家からそれほど遠い場所ではないし、何度か来てみて考えたいと思います。好きな木を選んで、いろいろな構図を練習するには宝の山(森?)です。

 先日、案内をいただいたので、3年ぶりに国立新美術館へ行き国展を見て来ました。この会の作品は、本当にいろいろな表現があります。色や形、素材を自由に使い、何かわからない抽象的な作品も多いのですが、それでも「好きな感じ、良いと思うもの」に目がとまります。何を描くにしても、表現したいものがはっきりしていることが大事だと思うので、「どのように描きたいのか。」をしっかり考えながら、また、チャレンジの小品を描いていきたいと思います。
 

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